循環器内科で扱う主な疾患
このような場合にはご相談ください
- 血圧が高い
- 強い胸痛を覚える
- 胸に締めつけられるような違和感を覚える
- 歩行や運動時に胸が苦しくなり、休むと軽くなる
- 動悸がする (鼓動が速くなる、鼓動を強く感じる)
- 脈が乱れる、飛ぶ
- 息苦しくなる(特に横になった時)
- 前よりも運動時の息切れがひどくなった
- 失神した(気を失った)
- 心電図や胸部X線検査で異常を指摘された
高血圧症
血圧とは血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。
診察室で測定した血圧(診察室血圧)や家庭で測定した血圧(家庭血圧)に基づいて診断され、診察室血圧の収縮期血圧(上の血圧)140㎜Hg以上、拡張期血圧(下の血圧)が90㎜Hg以上のときに高血圧と判断されます。
家庭血圧が135/85㎜Hgをこえた場合は高血圧の可能性が高いのでご相談ください。
不整脈
不整脈を招く主な原因は、冠動脈疾患、心臓弁障害、心不全、先天性心疾患などで、多くが心臓に起因する疾患です。甲状腺疾患や肺疾患がある人も不整脈になりやすい傾向があります。また心臓病等に関係無く、加齢や体質的なもの、ストレスや睡眠不足、疲労などによっても不整脈は起こりやすくなります。
狭心症
狭心症は、心臓の冠動脈(心臓の上に冠のように乗っており、心筋に酸素と栄養を供給している動脈)の血流が不足することによって、心筋が酸素不足に陥る疾患です。主に動脈硬化のために冠動脈の血管が狭くなり、心臓への血液の流れが一時的に滞るために発症します。狭心症を放置すると、やがて冠動脈が閉塞して心筋梗塞となり、命にもかかわる危険な状態になったりします。そのため狭心症の段階で、しっかりと治療しておくことが肝心です。
狭心症の症状
狭心症の症状は、普通は「労作性狭心症」と言って労作時(体を動かした時)、つまり急ぎ足で歩いたり、階段や坂道を登ったりした時などに起こり、胸の中央部辺りが締めつけられる、あるいは何かを押しつけられているような圧迫感を覚えます。少し休むと治まってしまうのが特徴です。
痛みはしばしば左肩・腕や顎(あご)まで広がり、みぞおちに胃の痛みのようなものが感じられたり、息切れとして自覚されたりすることもあります。症状の持続時間は、数十秒から数分程度です。
一方、「安静時狭心症」と言って、同じような症状が労作と関係無く出ることがあります。これは「冠攣縮(かんれんしゅく)」、つまり冠動脈が痙攣したように収縮してしまい、動脈硬化で細くなったときと同様の狭窄が一時的に作り出されるために起きる現象です。
狭心症の治療
狭心症の治療法についてですが、狭心症の元々の原因は多くの場合、動脈硬化です。いったん起こった動脈硬化を元通りにすることは、現時点では不可能です。したがって動脈硬化がそれ以上進まないように努力する、ということが治療の大前提になります。
そのためには高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病などを治療し、また禁煙、適正体重の維持、適度な運動などを心がけることによって、危険因子を可能な限り減らすことが重要です。
それらを踏まえた上で、薬物療法をはじめとする治療が行われます。
心筋梗塞
冠動脈が詰まって血流が途絶えると、心臓の筋肉に酸素と栄養が供給されなくなり、やがてその領域の筋肉が死んでしまい(壊死)、心筋梗塞が発症します。
心筋梗塞になると、激しい胸の痛み、重い感じ、呼吸困難、冷汗、嘔吐などの症状が現れます。ただし、高齢者や糖尿病患者では胸痛を自覚しないこともあり、なんとなく元気が無い、吐き気などが主な症状であったりすることから、見落とされるケースも少なくないので、要注意です。
心不全
心不全とは、心臓(心筋)の収縮、弛緩機能が低下し、全身の組織に十分な血液を送り出せなくなった状態を言います。
心不全の症状は、原因によっては突然出現することもありますが、多くはゆっくりと現れてきます。心不全の症状には、まず血液を送り出す能力の低下による症状があります。疲れやすい、だるい、動悸がする、などです。
もう一つ、うっ血による症状があります。肺にうっ血が生じると息切れや息苦しさが起こり、体の各部分にうっ血が起こると、むくみが出ます。肝臓や胃腸にうっ血が起こって腫れてくると、おなかが張ったり、吐き気を催したり、食欲が落ちたりします。こうした症状の出方は、心不全の重症度によって異なってきます。心不全の初期には、平地を歩く時には何ともないのですが、階段を上ったり、重いものを持ったりすると、息切れが起こります。
心不全の原因
心不全の原因はさまざまで、ほとんどすべての心臓病が、最終的には心不全をきたします。心不全には、原因とは別に「誘因」があります。誘因とは、心臓のポンプ機能の低下はありながらも安定していた状態を、急に悪化させるきっかけのことです。最も多いのは、気管支炎・肺炎などの呼吸器感染症です。そのほか、塩分や水分の摂取過多、過労、狭心症、不整脈などが引き金となり、心不全が悪化することがあります。心臓の働きが低下している人は、これらの誘因を避けるように注意する必要があります。
動脈硬化症
血管の内側にコレステロールなどが沈着して血管が狭く硬くなり、血液の流れが悪くなった状態です。糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などが原因です。
動脈硬化は全身の血管に生じ、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの原因となります。